読み物

新年のご挨拶 2025.01.02

新年にあたり、皆さまにとって今年が良い年となりますように心からご祈念申し上げます。
現代ではインターネットの発達によって、面識のない人々や外国の人とも自動翻訳によって交流ができるようになりました。インターネットの大量・瞬時の情報伝達が遠隔地でも可能になりました。自動車の自動運転や作業ロボットによる危険な作業の削減や、医療における診断精度の向上や遠隔手術など枚挙にいとまがありません。
その反面、インターネットを利用して様々な犯罪が横行し、さらには米国大統領選挙や我が国の衆議院選挙や、都知事や県知事選挙の結果にも大きな影響を及ぼしているようです。
近年の様々な分野における変化は、我々が自覚できる以上に大きくなりつつあるようです。
出生率の減少によって若者人口が減少し、労働者不足が深刻となり、高齢者率が高まり介護や医療費の増大が見込まれます。
政府は子ども家庭庁や地方創生等で様々な工夫が初められているようですが、効果が表れるまでには時間がかかりそうです。
さらに深刻な問題としては、振り込め詐欺や闇バイトと呼ばれる犯罪が急増し、お年寄りを対象にした卑劣な犯罪の増加や、孤立した単独の攻撃者(ローン・オフェンダー)と呼ばれる思想や組織との関わりのない単独犯が政治家暗殺や爆破事件が増加しています。
世の中に居場所がない孤立した人が、自分の内面に潜む憎しみや怨みや怒りに突き動かされて、突然犯行に及んでしまうようです。孤立する若者は、人間関係の中で磨かれるはずの共感力や適応力を育めずに成人してしまった結果なのでしょうか。
学校や会社でも○○ハラスメントと呼ばれる、相手を傷つける言動が頻発しているようです。
人への思いやりや労わる気持ちを持つことが難しい共感不足の人がそうなった原因はわかりませんが、次の世代に残したいことを家庭や地域の中で語り合い、継承できることをきちんと残したいと切に願います。
令和七年元旦

圓能院住職 佐藤隆一